2012年8月3日金曜日

127. 資本論(マルセル デュシャン)

「私の資本は、時間です。
お金ではありません。」

マルセル デュシャンはそう言った。
なるほど、現代写真を切り開いた天才らしい意見だ。
実際、デュシャンは自身の作品を売ってお金を得ようとはせず、図書館の司書やフランス語の家庭教師などを行って、生活の糧を得ていた。生涯、金持ちにはならなかったが、食いっぱぐれることもなかった。お金持ちにならなかったことで、邪念が生まれず、作品製作に没頭できたのだろう。

さて、自分はどうだろうか。
うーん、と唸ってから、思いついたのは以下の通り。

「私の資本は、お金と時間です。
お金だけでも、時間だけでもありません。」

一介のサラリーマンの僕は、お金を稼ぎ、それを元手にして、自分のやりたいこと、やれることを拡大している。

海外まで遠出すること、よいカメラを手にして写真を撮ること、レンズを変えること、書籍を買って英語の勉強をすること、発音矯正のスクールに通うこと、これらは皆お金で実現している。

しかし、お金だけ出せば身につくものでもなく、買ってからは時間を使って習熟する必要がある。ここを疎かにしてしまっては何も残らない。

お金をうまく使うこと、センスよく使うことは、思っているより大事だと思う。
時間をうまく使うこと、センスよく使うことは、想像以上に大事だと思う。