2009年3月22日日曜日

016. 凪


吹いていた風が止まった。
この状態を、「凪(なぎ)」というらしい。
僕の今の状況も、ちょうどそんなかんじだ。
異動になってから担当しているプロジェクトが一段落していることがあるかもしれないし、人間関係が穏やか(=特別な事が何も無い)ということもあるかもしれない。
いずれにせよ、僕は27歳となり、特段これまでと変わらない穏やかな生活をしている。

同年代の友人達が家庭を築いて行く。
人生観は様々。
そう誰もが知ってる。

とは、Mr.Children の「花」の一部だが、最近、どうやら僕の周りでもそんな時期がやってきたらしい。
友人達が人生のステージを果敢に進めて行く様を見て、
僕もそろそろこの「風待ち」の状態から抜け出さなきゃならないんじゃないかな?と思うようになった。
とはいえ、差し当たって、どうこうしようという計画があるわけでもないんだけれど。
少なくとも、「ほな、ぼちぼち行こかー」くらいの気構えにはなりつつあるということだ。

さて、例によってゴールデンウィークは海外である。
今回は、「南米初上陸!ペルー&ボリビア高山病の旅!」である。
前回の日記にあるように、ボリビアはウユニ塩湖を見るために当初から意識していた国だ。さらに、旅慣れた友人からペルーのマチュピチュも掛け持ちできるんじゃないか?とのアドバイスをもらった。
色々下調べをしてみて、確かに、可能そうである。
ただし、日程はかなり、かなーり過酷だ。

1)4/25 成田16:00発→リマ23:55着。この時点で時差14時間遅れなので、一日がすごく長く感じ、そうとうへとへとのはずだ。なお、リマの標高は154mなので、この時点での高山病はない。

2)4/26 リマ9:10発→クスコ10:40着。クスコの標高は3400mであり、ここで高山病になるかどうか?が決まる。

3)クスコでは宿をとらず、そのままマチュピチュ村へと向かう。マチュピチュ村は、標高2000mなので多少楽になるはずだ。

4)マチュピチュ村に宿泊し、翌日一日をマチュピチュに当てる。

5)4/28 マチュピチュからクスコへ。クスコでは泊まらずに夜深夜バスで、ボリビアへと抜ける。途中、チチカカ湖を一瞬見物して、ラパスに着くのは翌日の4/29 16:50だ。実に22時間程の陸路移動。ラパスは標高3650m〜4000mと世界一高いところにある首都。夜行バスで削り取られた体力が、高山病で駄目押しを食らわないことを祈るのみだ。(恐らく一番しんどい日だと思う)

6)4/30はラパスで一日過ごし(高山病よ、ここでこの身体から抜け去ってくれ!)、夜さらに夜行バスでウユニへと向かう。(ゆったりプランの場合。お急ぎプランの場合は、ラパスで一泊せず、そのまま夜行でウユニに行く!という極道プランもある(笑)が、高山病地帯で夜行バス二連泊は自殺行為かもしれない。というか自殺行為だろ。)

7)翌5/1 朝7:00にウユニ着。二回目の夜行は10時間程。そのままウユニ塩湖ツアーへと参加(予定)。恐らく、11:00〜出発し、念願のウユニ塩湖時間が訪れる。ウユニも標高3700mなので、高山病にかかる体質だった場合、ボリビアに滞在中はずっとしんどいだろう。それでも、ここは気合いを振り絞って写真を撮るのだ>未来の自分

8)5/2 20:00〜ウユニ→ラパスへの夜行(実に三回目!)またまた10時間の拘束である。

9)5/3 朝7:00にラパス到着。生きてるか?生きてるのか?この日は休んでいいぞ!

10)5/4 朝6:50ラパス発→16:10マイアミ着。20:35マイアミ発→22:45ダラス着。ダラスにて一泊。。日本は遠いぜ。

11)5/5 10:10ダラス発→5/6 13:10成田着。 まるで5/5はたった10時間に短縮されて消えてしまったかのような錯覚に陥るだろう。気づいたら、翌日のお昼なのである。成田からおよそ3時間半後の18時半頃に帰宅。速攻で、寝たい。しかし、時差で目は冴える!しかし、翌日には会社が!仕事が!でも眠れない!よぉし羊を数えちゃうぞ!と、8000匹まで数えてみたけど、眠れない。つうか、吐きそう。やばい、明日午前半休しようかな?と悩んでいるうちに、気づけば5/7 9:00!
完 全 に 遅 刻 !

こんなかんじか?(笑)

とまぁ色々と一ヶ月後のことに想像を巡らせてみるが、とりあえず、旅が始まってしまったら、もう「凪」なんて言っていられないことは間違いない。
そこにあるのは、現実の世界であり、
そこに立つのは、他ならぬ自分自身だ。
まず一歩を。
その一歩を踏み出させるのは、間違いなく「風」ではなく、僕の「意志」だろう。

僕は、「風待ち」をしている。
でも、結局、待ちきれなくて、自ら踏み出す。