2011年8月27日土曜日

096. 島田紳介(5×5)

島田紳介が芸能界を引退した。
その突然の引退劇は・・・
と、そこにフォーカスを当てたいわけではなく、たまたま書店で島田紳介の著書を手に取った、という話をしたい。

その名も、

「自己プロデュース力」

である。
このタイミングで、この著書を読むのも皮肉なのかなぁと思うが、他意はなかったと思う(たぶん)。

この本は、吉本の芸人(候補)さんを相手に、島田紳介が行った講義をまとめた本らしい。
(「らしい」というのは、立ち読みしただけなので。あしからず。)

さて、最初の数ページしか読んでないのだが、面白い件があった。
内容を簡略化して書くと、こんなかんじだ。


「世の中、全て、才能です。
才能のない人は、売れません。
才能のある人は、売れます。」


ここだけ読むと、「うわぁ、自分が売れてるからってやなこと言うなぁ」と思いたくなるが、その後にこう続く。


「でも、人は努力ができます。
仮に、通信簿のように才能と努力に点数を付けたとしましょう。
才能と努力にそれぞれ、0点から5点までの点数を付けます。
ずば抜けた才能に恵まれた人は、才能5点。
その人が、並外れた努力をした場合、努力5点。
これをかけ算した、5×5=25点がその人の「力」です。
仮に5点の素晴らしい才能があったとしても、全く努力をしなければ、5×0=0点です。

一方、自分が平凡な才能、3点くらいの才能しかない人でも、あきらめないでください。

才能がそこそこある4点の人が、普通の3点の努力しかしなければ、12点。

才能が3点の人でも、5点の努力をすれば、15点の力が出ます。

このように、才能で負けていても、努力で勝つことは可能です。

みなさんに、どのくらいの才能があるかは分かりません。
でも、努力の仕方は変えることができます。
いい努力の仕方を身につけて、自分の才能の一番上の力を目指しましょう。」


僕は島田紳介のテレビ番組はそれほど好きではなかったけど(申し訳ないけども)、ただ、このロジックは好きだ。
実際、このような世界に僕たちはいるのだと思う。

願わくば、僕は自分のフィールドで4点くらいの才能は持っていたい。
そして、5点の努力をしていたい。

と思うけど、まぁ焦らずやっていこう。人生長いしね。

2011年8月15日月曜日

095. 最高のカメラ(っていう妄想癖)

カメラ大好き病という重篤な病に冒されてからというもの、

「最高のカメラとは何か?」

という命題が頭から離れない。

気付くと、カメラ関係のサイトを読みあさり、先輩諸氏のカメラ評論を読んでは色々と想像を巡らせてしまう。(それもひどいときには、夢の中で。今朝も、Leica M3がいいか、M4がいいか?散々悩みまくる夢を見た。重症である。幸せものである。)

大体、本当の所は、「最高のカメラ」なんてものはこの世には存在しない。
ないものねだりなのは、わかっている。
しかも、悪いことに「レンズ交換式カメラ」の場合、カメラ本体だけでなく、レンズのバリエーションまで加わるから手に負えない。
そんなシステムを用意された日には、「最高のカメラとレンズの組み合わせ」を探究したくなってしまうじゃないか。

例えばこうだ。

やっぱり日中だけでなく、室内や夕方なども撮れる(撮りやすい)カメラが便利でいいよね。
→そうすると、ISO感度が固定になるフィルムより、高感度も選べるデジカメがいいね。
→写真を撮るからには、ボケ感を感じる写真が撮りたいよね。
→そうすると、デジタル一眼だね。明るいレンズと組み合わせて、できればフルサイズの撮像素子を搭載したモデルがいいね。
→動いている子供撮るなら、AFがあった方がいいよね。
→じゃあ、AFが早めのCanonがいいよね。(もちろん、Nikonでもいい。ペンタもK-7以降で大分改善されているらしい。が、とりあえず、USMの付いたCanonで話を進めさせてもらいます)
→室内で人を撮ることもあるし、外で撮ることもあるんだよね。レストランで対面で撮ることも多いし。
→50mm単焦点っていうのもありにはありだけど、レストランの対面で撮るには少し狭いかもなぁ。広角〜標準のズームレンズの方がつぶしがきくだろうね。
→チーン。入りました!EOS 5D Mark II + EF 24-70mm f/2.8L USMが最高の組み合わせじゃね!?


と思って、上記組み合わせを基本的にはメインに使っている。
確かに、この組み合わせは「機能」だけで考えた場合、およそ最高の組み合わせの一つだと思っている。(合計で30万円以内という予算で考えた場合。大枚を無尽蔵に叩けば、もっといい機種はもちろんある。)

上記の組み合わせは、AFの合焦スピードが早いし、フルサイズの素子とLレンズの明るさが相まって、ボケ感もいいかんじ。立体感を感じる数少ないデジタルカメラと言える。
素子そのものは、一世代前ということで実用に耐えうるISO感度は1600くらいまでだけど(この辺りはNikonに分がある)、それでもISO400が基本のフィルムカメラからすると、十分高感度と言える。
三脚を使用すれば、ほぼ撮れないものは無い、と言っていいくらい汎用性が高い。

ただ、である。
ないものねだりはいくらでもできる。
まず、上記組み合わせは重い。810+950=1760gで、常時1.76kgの重りを持っているようなものだ。体積もかなりあるので、バックも自ずから大きくなる。
レンズも大きく、ちょっとレストランで食べ物の写真をと思っても、取り出すには大袈裟な印象がある。
また、デザイン的にも、無骨なデザインは悪くないが、マッチョな外観は正直言っておしゃれではない。

カメラは道具なので、おしゃれ感を求めてもしょうがない気もするのだが、例えばバルナック型ライカのIIIfやM型ライカのM3,2,1,4あたりに鏡筒の短めなレンズが付いていると、「ああかっこいいな」と素直に思ってしまう。
道具ではあるけれど、「モノとしての存在感」「佇まい」のようなものがある。「気品」がある。とかなんとか思ってくると、なんだか、だんだん満足できなくなってくるのだ。(この辺りの思考が病気である)


そうすると、「大袈裟ではない、だけど画質もいい、そして、おしゃれ感のあるカメラ」はないか?
という命題が生まれてくる。むくむくと生まれてくる。
「ああ、この命題を満たすカメラこそ、最高のカメラなんだ!」というような気がしてくる。

そうして考えてみると、
→画質の良さも追求しつつ、便利さも落とさない、ということになると、デジカメでAPS-Cサイズか少なくともフォーサーズくらいの撮像素子は欲しいよね。
→そうなると、ミラーレス一眼なら、SONY のNEX、Fuji filmのFINEPIX X100、オリンパスのPENシリーズ、PanasonicのGFシリーズ、SigmaのDP1、2シリーズかな。
(どうでもいいですけど、Pentax のQシリーズって撮像素子が普通のコンデジ並みに小さいんですね。レンズ交換式ミラーレスで世界最小って言ってるけど、それってありなんでしょうか?それなら本当にいくらでも出来てしまう気が・・・。コンデジのレンズを交換式にすればいいだけなわけで。。あと、Pentaxがリコーに買収されるのはとてもいい方向だと思うのですが、そうなってくるとリコーのGXRとQシリーズがバッティングしてしまう気がするんですよね。GXRにはMマウントのユニットが追加されたばかりですけど、この先、GXRはどうなっていくのでしょうか?っていうか、そもそもの話をすると、レンズ交換式のカメラユニットを出した時点で、「レンズと撮像素子は一体化した方が最適な組み合わせを実現できる」としていた当初のGXRのコンセプトはどこに行ったんだ?って気もしてきますね。ああ、話が逸れた。)
→おしゃれ感も重視したいよね。
→それなら、X100かPENかなぁ。

というわけで、最近は、結婚祝いでいただいたFINEPIX X100をよく使っている。
確かに、このカメラは気軽に持ち出せる上に、高画質だ。
正面から見た印象は、M型ライカ。
それでいて、軍艦部(カメラの上部)は、バルナック型ライカの印象。(ダイアルの配置がかなりバルナック型。特に露出補正ダイアルが、バルナック型のフィルム巻き上げダイアルを模していて面白い。)

パッと見たかんじは、クラシカルなカメラなのだ。
AFの合焦スピードは残念ながら早くないし(コントラストAFのある意味限界?)、近接している被写体に合焦させるには、一旦マクロモードを選択しなければならないというコンデジのようなルールもあるが、それさえ慣れれば使い勝手は良好である。

電源を落とす毎に、設定が飛んでしまうという悩みも、ファームウェアのアップデートで改善された。

間接照明のかなり暗い室内であっても、テーブルに肘を置いてしっかりホールドすれば、1/15くらいまではシャッターを切れる。これはミラーショックのないミラーレス機の強みだろう。

ISOは実用で大体2000くらいまで。(個人的な感覚です)
これなら夜でも室内でもOKである。

レンズは固定式で選べないが、35mmの焦点距離というのが絶妙で、若干広く感じることもあるのだが、少なくともレストランで対面に居る人を料理と一緒に撮るという用途では非常にちょうどいい画角だ。Leicaでも好んで使われる焦点距離である。
レンズはF2.0と明るく、鏡筒も短いため、バックにも入れやすい。
(レンズ設計では、鏡筒を短くできるようかなり頑張ったらしい)

仮にオリンパスのPENを選んでも、パンケーキレンズという意味ではフルサイズで34mm相当の単焦点レンズM.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8を選ばざるを得ず、結局同じような大きさになる。
撮像素子という意味では、フォーサーズよりもAPS-Cの方がわずかに大きく、その分、ボケ感も出やすい。
開放側の絵が好きな自分としては、このスペックとスタイルなら固定式であっても不自由ないのである。

というわけで、X100も最高のカメラの一つである。

が、しかし。
カメラ大好き病の重症患者の場合、
X100のようなLeicaライクなカメラを日常的に見ていると、
自然と、ごく自然と、「Leica」を触りたくなってくるのである。


ここから、最近のライカブームが始まってしまったのだ(自分の中で)。
そして今朝の夢につながる。

M3か、
M4か?

どちらも、クラシックライカとしては王道である。
初代にして、帝王のM3。
進化版のM4。

ファインダーなら、M4>M3
シャッター音なら、M3>M4
巻き上げ感なら、M3>M4
おしゃれ感なら、M4>M3 (傾斜クランクを粋ととるか否かによります)
値段は、M4の方が概して高い(実用の状態で、大体20万前後)が、M3の方が安いと言っても、状態が悪い物が多く判断が難しい。修理しまくったあげく、二個一になっているものなんてのもザラらしい。。

ゼンザブロニカのブロニカS2(6×6の中判フィルムカメラ)を購入してから、まだ1ヶ月半しか経っていないにも関わらず、、既にM3かM4か、果てはバルナック型IIIfかIIIgかIIIaかも?と悩んでいる自分が、正直、怖い。

上の流れでは触れられなかったが、ブロニカS2も最高のカメラのうちの一つである。
6×6の中判一眼レフカメラといえば、ハッセルブラッドが有名だが、ブロニカS2も捨てたものではない。
まず、何より最短撮影距離が短い。
60cmまで寄れる6×6の中判ってあるだろうか?
うちには、ハッセルブラッド503CW +Planar 100mm F3.5(借り物。※神々のひとつ)があるのだが、最短撮影距離だけで考えると、ブロニカS2+NIKKOR P・C 1:2.8 75mmに分があると言える。(焦点距離違うけど)
ハッセルのレンズは、標準(75mm〜100mm、35mm判換算で47〜63mm)だと恐らく最短でも90cmだと思う。


6×6のフォーマットに限定して考えると(つまり、Pentaxの645と67は対象外とします)、あとは二眼レフのローライフレックスやヤシカ、マミヤC330などがあるけれど、これらもそれほど寄れない。1m程度だったと思う。

また、6×6判としては、マミヤ6MFといったレンジファインダーもあるけれど、レンジファインダーは近接には弱く、最短でも1m程だったはずだ。
アタッチメントを付けるってのはナシの方向で。

さて、1mと60cmだと、一歩分の差がある。
この差は大きい。
被写体がグッと寄り、パーソナルゾーン内での撮影となる。

それを6×6の真四角フォーマットで切り取る。
うん、これだ。これである。

となったわけで、ブロニカS2を入手した次第である。この当初の目論みは完璧な形で実現する。確かに寄れる。
きっちり60cmまで寄れている。(なんとなく、それよりも寄れる気がするくらい)

ファインダーも45年前のものとは思えないくらいピントがわかる。
露出計も内蔵していない古風なカメラなので、「勘」で撮るわけだが、全く問題ない。
別に人間露出計を自認しているわけではなく、ネガフィルムの許容範囲が5段と広いため、大抵は「救えてしまう」のである。
中判は被写界深度がきついので、大抵f5.6〜8まで絞る。
ISO400のフィルムを入れたとして、曇りなら、1/250〜1/500、日陰なら1/125だ。
これだけ。
写真家渡部さとるさんが著書で紹介した、「感度分の16」というのが正しいだろうし、それを発展させた「感度10倍分のf5.6」も正しいと思うのだが、経験上としては、上記の数字で何となく撮れてしまう。
感度分の〜に比べると、多少オーバー気味になるが。
ちなみに、フォーカルプレーンシャッター機で、かつ、ミラーショックが史上最大級のブロニカS2にとっては、1/125が限界の低速シャッターと言える。
これ以下になると、手ぶれの影響が出てしまうので、1/125が切れなくなった時点で「良い子はお家へお帰り」とふかすハードボイルドなカメラなのだ。

シャッター音は、何か金属同士がぶつかりあったような「カッシャーッンッ!」という派手な音がする。
このメカ感がたまらない、と言えばその通りであるし、うるさいと言えばそれまでである。
また、フィルムの巻き上げレバーを回しきると、「バキッ」という音が出るが、間違いではなく、正解なのだ。
そういうカメラなのである。この金属の塊感がたまらない。

とはいえ・・・(以下略)