2013年12月10日火曜日

166. 黒子のバスケ

三十代、四十代は一般的に働き盛りと言われている。
また、うちの父親が言うには、頭の冴え具合そのものは28歳頃がピークだが、その後の仕事は、経験の蓄積によって、結果広がっていくものらしい。

なるほど、32歳になって、最近、これら意見がよく分かるようになってきた。
なるほど、こういうことか、と。

仕事を形成する、組織、仕組み、システム、人(モチベーションや役割や立ち位置や思考の型などもろもろを含めて)、コミュニケーション、手続き、ヒエラルキー、物事のうまい進め方、失敗する予感、うまく行く予感(またそれが的中する確率)、そういったものが腑に落ちてきたような気がする。

そして、何より「プラン」がある。

こうしたい、こうした方がいい、そういったアイデアが生まれてくる。
そして、それを徐々にではあるけれど、実現させていける確信めいたものがある。

それは時にズタズタに引き裂かれて、「あ、うぬぼれだったかぁー」と思うけれど、最近はその「あ、失敗しちゃった」というものも含めて、どんどん進めていきたい気持ちになっている。

全てがうまくいくことなんてありえない。
失敗含みで、それでも正しいと思う活動を。
一つではなく、二つでもなく、五個、六個、七個と量を重ねて行く。
カロリー高く、ひたすら出力を続けていく。

思いつく限り、妥協無く、出し惜しみなく。

そうすると、沢山の出会いが生まれてくる。
そうすると、色々なことを教えてもらえる。
その金言が、また次のアクションのバックボーンになっていく。

みんな何かに問題意識を持っていて、
それぞれに「腹案」がある。
その腹案は、そのままだと点に過ぎないけれど、
それを聞いて、また別の所で、別の「腹案」と組み合わせてみる。
そうすると、点と点だった腹案は、歯車がかみ合うように、つながっていく。

自分の強みは、そういった「専門性のある人々」と意見を交わし、
それら意見をパーツとして、より大きな仕組みを「組み立てていく」ことのように思えてきた。

人の頭と頭を、ケーブルでつなげていくような行為だ。
この行為は、まるで組織の「ニューロン」をつなげるようではないか。

この方向性に、「線」があるように思っている。
そして、この方向性で行く上では、「黒子」のような気分がちょうどいいように思う。
あまり目立とうとせず、ささっと動いて、ある所で必要なことを仕上げて、
また別の所に出現し、別の仕事を仕上げていく。スパイのような、特殊部隊のような。

それぞれの場所には、それぞれのリーダーやグループがある。
成果はその人達のものでいい。
ただ、ひたすら黒子になって動いていく。

生来、目立ちたがりな性癖を持っている自分には、「黒子」くらいの気分の方がバランスいいのではないか。そんなことを思っている。



狙いは、そこにはないのだから。