以前、ペンギンカメラの店主と世間話をしているときに、
「最近、すごいカメラがアメリカの方で出て来た。」
という噂を聴いた。
何やらとにかく画期的で、これまでの写真の概念をひっくり返すくらいアレらしい。
確か、今年の2〜3月くらいの話だったと思う。
そのときは、気にも留めていなかったのだが、先日、例によってデジカメWatchを見ていると、気になる記事を発見した。
【Lytro、撮影後にフォーカス自在の「ライトフィールドカメラ」を2012年に米国発売】
記事によると、
「通常の撮像素子に特殊なマイクロレンズを配したという「Lytro Light Field Sensor」により、色と輝度に加え光線の方向も記録。再生時にフォーカスを自由に変更したり、表示を2Dと3Dでシームレスに切り替えられるとしている。」
らしい。
焦点が合ってる所が、撮影後に変えられる?
どういうことだ?
と思った方、ぜひ以下のLytroの公式サイトに行っていただきたい。
確かに変えられてしまうのである。
しかも、思ったより全然自然で、こう近くの物を見た後で、遠くの物を見る感覚を味わうことができる。画像上で。
一眼レフ、もしくはミラーレスカメラを持っている人は、絞りを開けて、被写体のバックをボカした写真を良く撮るが、思ったところにピントが来ていないと「ああ!」となってしまい、ガッカリしたり、やるせなかったりする。
ところが、このカメラのシステムでは、「ピントは後から自由に変えられます。」というわけだ。
恐らく、ペンギンカメラの店主が「概念が変わる」と言ったのはこのことなのだ。
なるほど、撮影で最も気を遣うもののひとつ「ピント」が、
このシステムでは撮影時には気にも留めなくていい存在に成り下がるわけだ。
それが写真をやる人にとってどういう意味を持つのか、いいのか、悪いのか、は今の段階ではよく分からないが、とはいえ、概念が変わってくるのは間違いない。
しかも、出来上がった画は、意外にも現行の3D写真のように、チラチラと見にくい画ではなく、普通の写真(デジカメ写真)と遜色がない。
本当に、ピント面をずらせるデジカメ写真です、というかんじだ。
これなら、マーケットも反応すると思う。
さて、そんな奥行き方向の情報すら記録するこのカメラでは、「解像度」を表す単位も従来とは異なっている。
「画素」ではなく、「光線」。
うーん未来だ。「光線」。
1100万光線、とのこと。
画素数(ピクセル数)に対応させるとどのくらいになるのかな?
(恐らく結構少ないとは思うけれど)
それにしても、重量は214gで全然普通のコンデジと変わらない。
形状が筒状で独特なのだが、シンプルな外観はアップルに通じるものがあり、好感が持てる。
とりあえず、米国のみの販売のようだが、2013年には日本にも入ってきているだろう。
今から楽しみである。