2009年12月9日水曜日

042. 出会ってしまった。(そして僕は旅に出る)


想像を絶するスピードで、担当プロジェクトは進行した。
そのおかげもあって、今年の年末はかなり早い時期から休めそうである。
22日で仕事納め、という夢のような現実が、現実となりそうな予感である。
23日から1月3日まで。
実に12日間。
12日間あれば、地球上の大部分が「射程距離内」だ。






さて、  と。

そうとなれば、行くしかあるまい。
また、僕は旅に出ることにした。
今度は、そうだな。
インドにでも行ってみるか。

電脳バックパッカーを自称する僕にとって、旅の入り口はいつも、インターネットだ。
お気に入りのサイトを覗いては、未知の旅先へと思いを巡らせる。
この行為は、ときに楽しく、またときにしんどいものでもある。

その理由は簡単で、
「探し物」
をしているからだ。

「ここだ!」という目的地を探すこと、
それはある意味で、「この人だ!」という恋人を探すのに似ている。
そうやすやすと見つかることはない。

「探すこと」というのは、本質的に実に忍耐を強いられる行為なのだ。
今回も例に漏れず、目的地探しは難航している。

インドという国は、どうやら「やっかいな国」らしい。
やみつきになるくらい熱狂的に好きになる人もいれば、
もう二度と来たくはない、と断言する人もいる。
それは、日本のクリーンで整然とした日常から、180°逆転した混沌と熱気がそこにあるから、と思われる。

「日本にはないもの」に魅力を感じる人もいれば、
あまりの違いに、「ひいてしまう」人もいるということだ。

インドの旅行記を見ると、強烈な客引きの話や、騙そうとする人の多さや、実際に被害にあった悲しい話が、他の国よりも格段に多い。

これは、正真正銘、「やっかいな」部類だろうなぁ。
僕はモロッコでの苦い経験を思い出しながら、旅行記サイトを読みあさっていた。

僕のお気に入りのサイトに、
「さまよいの地球」
http://www15.plala.or.jp/samayoinohoshi/
というサイトがある。

僕が海外に旅することになったキッカケは、このサイトが作ってくれたと言っても過言ではない。
そのサイトの管理人Sammyさんは、インド、モロッコ、カナダ、アラスカ、アメリカ、カンボジア、ペルー、ボリビア、キューバ等、かなり旅の経験がある方で、写真の腕も素晴らしい。
この人の旅行記と写真から、僕は多くのことを学んだと思う。

今やっているこのサイトも、「さまよいの地球」が無ければ誕生しなかっただろう。

さて、そんなSammyさんをして、「インドには振り回されっぱなし」だと言う。
インドというのはいかなる国なのか。
僕はますますもって、インドに行きたいのか?どうなのか?
分からなくなってきた。
とはいえ、ガンジス川沿いにあるバラナシという街の風景、そこに佇む人々の様子は、写真撮りにとって非常に魅力的に映るのも事実だ。
夜明けのガンジス川を撮影したい。
そんな思いも感じる。

「行ってみたい」という衝動と「自分には合わないのでは」という予感を感じながら、僕は「さまよいの地球」に紹介されていたあるサイトに行き着いていた。

「たびそら写真家・三井昌志が撮る素顔のアジア—」


このサイトは、 すごい。


僕は、一見して「とんでもないサイトを見つけてしまった!」という感覚に襲われてしまった。

写真が、生きている。

のである。
こんな生き生きとした写真を、僕はこれまで一度も撮ったことがない。
管理人の三井さんと同じ国、例えばカンボジアやモロッコに、僕も行ったことがある。
しかし、僕が撮った数千枚を重ね合わせても、三井さんの1枚には及ばないのではないかと真剣に考えてしまった。


「出会ってしまった。」


僕は、2005年に「さまよいの地球」を見つけたときに感じた思いを、2009年の今日、「たびそら」に対して感じている。

「三井さんのような写真が撮りたいなぁ。」

僕は無理なお願いをする駄々っ子のように、素直に憧れている。

「たびそら」に登場する国を見ているうちに、
インドに行きたくなってきた。
バングラディッシュにも行きたくなってきた。
うーん。

あと2日間だけ、考えよう。

listening to 「Everything / MORNING GROLY」