メモ的な内容になるが、思いついたことを羅列していく。
- どれだけの時間とお金をかけたのか:これは、その人にとってその対象がどういう位置づけにあったのかを簡単に推し量れる指標かもしれない(人生を「会社経営」に喩えた場合、どの分野にどれだけの資金と時間を投下したかに相当する)。例えば、カメラ、旅、英語学習といったものに僕は時間とお金をつぎ込んできたと思うけれど、それがどれくらいのものだったのかを考える場合、時間とお金は定量的に把握できる有用な(簡単な)指標と思う。ただし、その対象に取り組む精神、集中力は全て均一であるという強烈な仮定が必要だが。(英語学習など、教材への投資と努力とが必ずしも相関しないことが多い。)
- 周期的に、2013年はAPS-Cサイズのデジタル一眼レフが多く出るのだろう。Canonからは7D mark2、NikonからはD300の後継機が出るかどうかが焦点だ。この二社は2012年までにフルサイズのラインナップを一新したので、恐らく次はAPS-C機の上位モデルを主軸に展開するものと思われる。後は、地味にレンズの刷新だろう。特にCanonは高画素機を計画中のはずなので、それに耐えうる性能を有するレンズを取り揃えるためにレンズの刷新を急ぐはずだ。個人的には、高画素機のセンサーをこれまでのプロセスルールで製造するのか、ファブリケーション設備を新しくして製造するのかが気になるところだ。後者の場合、後2年くらいはかかってしまいそうな予感。逆に早く登場するのであれば前者の可能性が高くなり、この場合、とてもがっかりする性能(ダイナミックレンジ的に)に落ち着くだろう。そして、SONYとのセンサー性能差が完璧に露呈することになる。DxO mark scoreは高画素機で得点が高くなりやすい傾向にあるが、それでも負けてしまうとなると、もはや誤摩化しがきかなくなってしまう。この辺り、Canonの開発部のシニアはどう捉えているのだろうか?ミラーレス市場での台頭を目指し、他方でプロユースも睨んだセンサー性能の底上げを要求される。異なるベクトルに多大な労力をかけねばならず、舵取りがかなり難しいはずだ。Canonは数年前(ミラーレス登場前の2007年くらい)から比べると、格段に苦しい状況に追い込まれている。Canonと同様にプロユースの多いNikonはと言うと、Nikonはセンサーを外注(SONY)に出しているため、センサーの設計には自社のコストをかけるが、製造設備の投資までは頭に入れる必要はない。その分、悩みは少なく、SONYが良いセンサーを作ることも相まって、プロユースでの勝負ではCanonを制していると思う。ただ、Nikonもミラーレス市場ではイマイチな位置取りで、ミラーレスという括りで考えると決して成功はしていない。(しかし、モノは考えようで、コンデジの市場とミラーレスの市場をくっつけて考えると(ニコンのミラーレス機Nikon1の1インチセンサーはコンデジ寄りの製品とも言えるので)、ある意味ビジネスとしては成功なのかもしれない※1。これはペンタックスのQシリーズも同様である。Qシリーズはコンデジと同じサイズのセンサーを使っており、出てくる絵もコンデジレベルと評判だが、「ミラーレス一眼」ではなく、「レンズが交換できる高級コンデジ」を売っているというつもりであれば、値崩れの激しいコンデジ市場から回避できているわけで、ビジネスとしては成功なのだ。)
- SONYの動きが気になるところだ。ボディーのロードマップに大きな変更があり、恐らく、NEXのフルサイズ版がファーストプライオリティーで開発中である。NEXのEマウントにはフルサイズのセンサーが物理的には入るため(ビデオカメラとして既に販売はされている)、開発自体は容易と思われるが、問題はレンズとのマッチングだろう。Eマウント用のレンズはAPS-Cサイズのセンサーに特化してイメージサークルを決めており、当然フランジバックもそれに応じた最適化が行われている。しかし、恐らくだが、フルサイズのセンサーを積んだ場合、Eマウントよりも長めのフランジバックが要求されることになると思われる。個人的にはレンズの後端を前よりに設計して、レンズの鏡筒自体にフランジバックが内包されるようにすれば問題は解決しそうな気がするのだが、技術的にはそう簡単ではないのかもしれない。後は、フルサイズに求められるAF性能を、コントラストAFもしくは像面位相差AFでどれだけ達成できるか。既にRX1でポテンシャルは見えているのだが、レンズ交換式=様々な焦点距離に対応したAF(望遠は被写界深度が浅いのでよりシビアなAF精度が要求される)が必要で、この辺りに技術的な障壁がありそうな気がする(完全に素人推測だが)。ただ、SONYとしては「活路はここだ」と思っているはずなので、AFとレンズ設計について解決の目処が立った時点で一気に発売まで持ってくるはずだ。ここ最近のSONYの戦略は「先行逃げ切り型」なので、スタートの合図さえ鳴り響けば、市場構造が変わるのも時間の問題だ。後は、地道にEVFの性能向上をお願いしたい。NEX7あたりからかなり良くなったと思っているが、それでもまだまだ違和感を感じる(低輝度では特に)。この違和感がとれたとき、僕はフルサイズNEXを買うだろう(そして、CanonとSONYの2マウント体制になる)。
- ペンタックスは2年前からフルサイズを開発中と言ってきたが、なかなか出せなかった。今年は、「マーケティング次第で、出す。」ということなので、発売時期として今年かは分からないものの、ある程度期待できそうだ。やるのであれば、高級路線の小型デジタル一眼レフだろう。K-7で既に使ってしまったが、キャッチコピーは「Pentax LXの遺伝子」だろう。小型のフルサイズには、Canonから6Dが、NikonからD600が出てしまい、「フルサイズで小型」というところには新規性がなくなってしまった(言わんこっちゃない、という思いで一杯である。せっかくの商機を逃してしまった。その上、EF40mm F2.8のパンケーキレンズも出されてしまい、「パンケーキが得意なペンタックス」という評価も事実上無くなってしまった)。しかし、6Dにせよ、D600にせよ、ある程度「フルサイズエントリー層」を意識した廉価版としての制限(作り込みの品質の制限)がある。ここを度外視して、高級感溢れる、カメラとしての魅力を発するようなエクステリアを纏えば、一定の支持は得られるはずだ。ペンタックスはデザインセンスもいい(K-5など)。そして、その発想はフィルム時代であればLXに相当する。3本のリミテッドレンズを刷新して、AF性能を付加した上で同時発売すれば、恐らく僕は買う(そしてCanonとSONYとペンタックスの3マウント体制になる)。
- 富士フィルムは、Xシリーズのさらなる廉価版を出すと思われる。この機種には恐らくEFVもOVFも付かない。背面液晶のみの搭載となると思う。カラーバリエーションを揃え、女性層も取込む、「裾野を広げる」戦略を取るものと予想する。この場合、問題となるのは、黒いレンズだろう。カラーバリエーションをボディ側で作るのは容易でも、レンズの鏡筒が黒いままだとバランスが悪くなってしまう。そこで提案としては、シルバーバージョンのレンズも作るということだ。カメラの軍艦部(上部)はシルバーに統一し、張り革の色でカラーバリエーションを作る。レンズはシルバーとすれば、統一感が出てくる。ここまでやったら拍手を送りたい。そして個人的には、そのときになって、X-E1のシルバーを買うだろう(そして、CanonとSONYとペンタックスと富士フィルムの4マウント体制が出来上がる)。
- RICOHが最近ずっと大人しい。どうした!?ペンタックスとの調和がうまく行っていないのか?とずっと心配だったのだが、今年はようやく動き出すようだ。個人的にはGX-Rの前に販売されていたGX-200の正統な後継機が出てくれると嬉しい。RICOHはカメラというモノをよく理解している希有な企業なので、是非頑張ってもらいたい。
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※1:BCNランキングによる2012年のミラーレス一眼カメラ販売台数シェアで考えると、一位はNikon 1 J1で11.2%、2位 OLYMPUS PEN Lite E-PL3 8.6%、3位 SONY NEX-5N 7.7%、4位パナソニッック LUMIX DMC-GF3 7.4%とのこと。台数シェア(売上げではない)では、安くなった2011年モデルが2012年に売れて、上位に来ている。台数で考えた場合、Nikonのミラーレスは好調なわけだ。ペンタックスQも7位でシェア6.0%となっている。「型落ち」や「値引き」も含めて、一般的なユーザーは購入を決断することになる。基本的に僕の考えは、early adopter(カメラの新製品を早く手にしたい層、カメラマニア層)ベースなので、この実売台数のシェアと僕個人の感覚には乖離がある(正直言って、J1が一位とは我が目を疑った。そして、数秒後に、自分の目が完全に一般消費者からかけ離れてしまっていることに気がついたというわけだ)。例えば、2012年のミラーレスと言えば、OLYMPUSのOM-Dがまず頭に浮かぶが、販売台数的には12位でシェア2.8%に過ぎない(それでも2012年のエポックメイキングなカメラとしてその名を刻むことは間違いない)。一方、あれだけAFの低性能ぶりで紛糾したEOS Mは15位 2.1%であり、歴史的な銘機となるOM-Dとわずかに0.7%しか違わない。これが「early adopter」と「late majorityを含めた市場全体」の乖離なのだろう(CM効果含め)。また、かなり意欲的な性能と特徴を持つ、富士フィルムのX-Pro1やX-E1は20位以内にも入っておらず、台数ベースで考えるとかなり低いと言わざるをえない。元々他社より価格設定が高めになっているのでメーカーとしても数が出ないことは織り込み済みだろうが、こういった高級機を含めて正当な評価を下すには、台数ベースではなく売上げベースで考えるべきなのかもしれない。なお投資家目線で言えば、売上げベースでもなく、営業利益ベースで考えたくなるのだが、そこまで行くともうカメラの世界から出てしまうので、とりあえず置いておこう(しかし、サムスンとの比較等、業界として企業同士を比較する場合、この考え方の方が重要だ。長期的な優劣は営業利益でつく。とはいえ、ここまで行くと証券アナリストやジャーナリストの世界に入ってしまうので、あまり深入りしないでおこうと自制する)。
- 新しいiMacを購入することにした。27インチ、2.9GHz Intel Core i5で、1TBのFusion Driveとし、メモリをソフマップで積みまして、8Gから24GBに変更した(アップルで32GBまで積み増そうとすると5万2800円かかるが、ソフマップだと16GBの追加(24GBへ変更)で9000円くらいしかかからない。ちなみに同じことをヨドバシでやると4万5千円くらいかかる。ソフマップすごいな)。これでここ数年はやっていけると思う。品切れ状態が続いており、入手は1月末になりそうだが、楽しみだ。ちなみにこのiMac購入の遠因にはEOS 6Dの購入がある。EOS 6DのRAWファイルは、Lightroom 3では読み込めない(現像できないのではなく、ファイルそのものを読み込めない)。で、Lightroom 4を導入したいわけだが、Lightroom 4はMacのOSが10.6以上(Snow leopard以上)でなければならず、10.5のうちのiMacでは対応できない。Snow leopardを購入してOSを新しくすることもできるが、もうこの際だから買ってしまおうと決断したわけだ。うちのiMacはEarly 2008モデルで2008年末から使っているので、4年間も頑張ってきたわけだ。お疲れ様である。