2010年8月25日水曜日

058. ソニーが最近面白い(エジプトからの帰国)


さて、いつの間にやら前回の日記から1ヶ月も経ってしまった。
その間、8月8日から18日まで、エジプトに旅行し、
帰国後は新居探しに奔走し、ようやく日記を書ける状態になったというのがここ最近のあらましである。
さて、エジプトのことを簡単に書くと、
1)遺跡はマジ最高。
2)サハラ砂漠もマジ最高。
3)人はマジ最低。
という感じだ。
「人が最低」というのは、おおかた予想できたことだし、その最低っぷりも、まぁ大体予想の範囲内だった。(5年前のモロッコとそう大して変わらないレベル)
「観光客=金を持ってきたカモ」という前提のもと、客引き&詐欺師がわらわらとやってくる。
無視する、断る、等の適切な対応を取った場合、

Fuck you! 
I don’t like you!
You’re not good man!
Monkey!!


等の素敵な捨て台詞を吐かれた上に(もちろん理解不能なアラビア語でも一通りののしられる)、蹴りを入れようとしてきたり、手でシッシッ!と追い払う仕草をされたりと、実に素晴らしい不愉快体験のできる貴重な国である。
なお、 彼らには「観光客=だまされて当然」という認識があるようだ。上記のように断る/無視するといった「旅行者側として適切な対応」を取り、「だまされなかった場合」、これは彼らにしてみたら「カモとして不適切な対応を取った場合」に相当する。その結果、逆ギレし上記のようなののしり言葉が繰り出されるのである。
(「てめぇはもういらねぇからどっか行け!」という感じなのだろう。実に分かりやすい下衆っぷりである。)


おかげさまで、現地9日間のうち、3回ほど激切れし、本気で怒鳴りつけてしまった。
実に3日に1回は切れていたわけである。
中指を立てながら、


「っの糞野郎!!ふざけんじゃねぇ!死ねぇー!!!死ね!死ね!死ねぇー!」


と怒鳴り散らしたのは初めての経験であった。


大体、「死ね!」という言葉を、心(怒り)を込めて大声で叫ぶ機会など、人生においてあまりない。恐らくほとんどの日本人にとっても同様だと思う。少なくとも、僕としては「初めて使った日本語」に近かった。
しかし、エジプト人も負けず劣らずののしりまくってくるので、お互い睨みつけながら激しく言い合うことは実に自然な流れとなる。
(と言うと変に思うかもしれないが(笑)しかし、振り返ってみて、「自然な流れで怒る」という表現が現実に一番近いと思う)
少なくとも言えるのは、日本人よりエジプト人は「感情を隠さない」。街を一日歩くと、必ず1回はエジプト人同士の口喧嘩を見ることができる。それも大体、7〜8人が取り囲んでおり、盛大にお互いの非を責め合っている。
そんなわけで、「郷に入れば郷に従え」、というか、むしろ、自然な感情の行き着く先として怒りや口喧嘩があったように思う。全く無理なく、自然体で怒鳴り散らしていた。
もちろん、日本にいるときはそんなことはしない。というか、「日本の空気自体がそれをさせない」というのが正確なところか。(宮台真司の「権力の予期理論」を想像してもらえると分かりやすい。もしくは、山本七平の「空気の研究」。)
もし日本で、「死ね!死ね!死ねぇー!」等と叫んでいたら、どんなに相手が悪かったとしても、「大声でそんなことを言っているおたくの方が迷惑だ。」「なんて非常識な」「みっともない。」とひんしゅくを買うことは目に見えているし、実際、僕自身もそんなリアクションを取るように思う。


つまり、日本に根付いている風土/雰囲気は実に穏やかで、和をもって尊しとなすであり、それ故に、負の感情は閉じ込められやすく、人によってはストレスが溜まりやすい環境でもあるのかもしれない。
(ただし、エジプト人並にムカつく下衆野郎が日本人には圧倒的に少ないため、結果的にははるかに居心地のいい国になっている。日本って素敵だなと思う次第である。)
僕自身、現地9日間のうち、半分くらいの時間は、エジプト人に対する怒りで煮えたぎっていたが、3回爆発させることで、結果的にはスッキリした(笑)
カイロでは有名な日本人宿に泊まっていたので随分多くの日本人バックパッカーと出会った。
中には、「カイロ3日目なんですけど、もうこの国から出たいです。」
「話しかけて来る人が、ナンパか客引き。1日目でもう疲れました。」
「アフリカを旅してきたけど、こんなに人が悪い国はなかったですよ。よっぽどスーダンの方がマシ。」
という感想を口にする人もいた。


少なくとも旅行者(特に、1人旅行者)が体感するエジプト人は、これが現実なのだろう。
(いくら文章で書いてもなかなか伝わらないと思う。しかし、どれだけムカつくかは、一度、ギザのピラミッドをたった1人で2〜3時間回ってみればすぐ分かる。団体ツアーや3〜4人くらいのグループでは恐らく実感できないので、ぜひ「1人で」回ってみてほしい。そして、炎天下40℃超の中、ひっきりなしに客引きの相手をしていれば、人間というものがどれだけイライラできるかをかなりの高確率で知ることができる。それは、恐らく、とても貴重な経験だ。ちなみに僕はここでも一回爆発し、怒鳴り合いをやっている。)
そんなわけで、エジプト人にムカつく輩が多いのは事実なのだが、ある程度安全が確保される状態(町中等)であれば、おおいに反論/口論/ののしり合いをすればいいと思う。
変な話かもしれないが、やられっぱなしが精神衛生上一番悪いことだと思う。
せっかくエジプトまで来ておいて、だまされ、ぼられ、文句を言われて、ただただイライラして黙ってすごすごと帰るのは、実に虚しいことだと思う。


むしろ徹底的にやり返した方が、健全だ。
なにより、スッキリする。
そんなわけで、エジプトに今度行かれる方には、


「最低な奴とは徹底的に口論すること」


をお勧めする。
それが何より、大きな経験なので。


(それにしても、「みっともない」という台詞。なんと日本人的な概念であろうか。こういう発想は実にユニークだ。他にも、「世間様」という概念もそうだ。単一民族にして、宗教色が著しく弱い、島国で、気候が比較的穏やかな、この国であるからこそ、必要とされる概念なのだろう。日本の公衆衛生がまともなのは、近代化に伴う啓蒙活動だけに依拠するわけではなく、むしろ、「みっともない」「世間様が見ている」という「公を前提(上位概念)とした価値観」に根ざしているように感じる。)

ところで、一応、エジプト人の名誉のために言っておくと、エジプト人にも当然「いい人」はいる。
また、イスラム教には「旅行者を大切にしなさい」という教えがあり(前述のエジプト人像と大きく乖離するのだが)、実際、昼間の断食後の施し(ちょうどエジプトに着いてから3日目にラマダン=断食月に突入。ラマダンの1ヶ月間では、太陽が出ている間は、食べもの、飲み物一切禁止。水も禁止(なお、毎日35〜45℃)。たばこも禁止となる。その代わり、日没頃の18:40には一斉に食事/飲み物が解禁となり、人々は大きな喜びとともに飲み食いを開始する。通常、この時間の前には自宅に戻り、家族とともにこの歓喜の食事を味わうわけだが、カイロ等の大都市では自宅に戻ることができない人も多く(めちゃくちゃな渋滞になる)、また貧しい人に金持ちが「喜捨」することも当然とされているため、ラマダン中には通りにテーブルと椅子が設置され、そういった人たちにお金持ちの人が無料でご馳走を振る舞うということが行われている。この「ただ飯」は、実は旅行者でももらえる)では、現地人に行き渡らない程限られた食料を、優先的に旅行者である僕を含めた4人の日本人に与えてくれた。このときは、食料を手にできなかった現地人(20人近く)が抗議を始め、怒鳴り合い、残された食料が奪い取られ、一時暴動に近い状態になったが(リアルに怖かった。今回の旅で一番怖かったシーン)、それでも、決して旅行者から食料を奪い取ろうとはしなかった。むしろ「暴動になっちまってごめんよ。でもまぁ、食ってくれよ。」「Welcome to Cairo!」「うまいか?そうだろう?」と、気遣ってくれる程の優しさ。(ちなみにその人は、ついさっきまで椅子を持ち上げて抗議する人々を殴りつけようとしていた。)
この、人の良さと、悪さのギャップは、すさまじい。


あるときは、「人間なんて誰一人信用できない」という気になるし、またあるときは「いや、でもまぁいいとこあるじゃん?」となり、またあるときは「絶対、こいつは死んだ方がいい!」となる。
なので、エジプト人は一概に悪いとは言えないし、また逆に一概にいいとも言えない。
ただ、他の国に比べると、不愉快なことに当たりやすい国ではあると思う。
それでいて、不思議なように思えるが、治安はとてもいい方だと思う。
夜中まで外を歩いていても全く危険ではないし、
南米のように「首締め強盗」がいるわけでもない。(ボリビアのラパスでは3回首締め強盗にあったという日本人バックパッカーがいた。なお、首締め強盗というのは、背後からいきなり首を絞められ、気絶させられた後に、財布/パスポート等を全て盗られてしまうというもの。やる前に言ってくれよ!と言いたい。)
いきなり、銃で脅されることもないし、ナイフで斬りつけられることもない。
また、例え口論になっても、蹴るマネや殴るマネや足のすぐ傍をダンッ!と踏みつけられることはあっても、集団でボコボコにされたりすることはまずない。


2回に1回の割合で、おつりがごまかされて少なく(1〜5エジプシャンポンド=15〜75円程度少なく)返って来るが、速攻で「おい!おっさん!おつりが少ないだろ!」と怒れば、大抵返してくれる。返してくれない場合は、「ふざけんじゃねぇぞ!てめぇ!さっさと5ポンド出せ!」とさらに大声を出せばほぼ100%返って来る。おおむね、問題ないレベルだ。
(つまり、不愉快ではあっても、治安が悪いわけではないのである。)
というわけで、たった9日間でもそれなりに感情のアップダウンから、異国情緒まで存分に堪能できるエジプト。
「旅」がしたい、と憧れるバックパッカー予備軍にはお勧めである。
(一方、「観光」がしたい、という社会人、「わざわざ休暇に不愉快な思いはしたくない」という常識的な人には、パックツアーでの渡航をお勧めする。正直、エジプト人の一切をスキップしても、ピラミッドとカルナック神殿とアブシンベル神殿と白砂漠と黒砂漠とモスク・ムハンマド・アリは見る価値がある。)



さて、全然話が変わってしまうが、ソニーのデジカメが最近やたらと気合いが入っていて、とてもよろしい。
ミラーレス一眼として、驚異的なボディーサイズを実現したNEX−5から、昨日(8/24)発表のあったα55とα33まで、矢継ぎ早にソニーらしい(家電メーカーらしい)個性的な機種が発表されている。


NEXは既に店頭に並んでいるので、手に取った人も多いかと思うが、ミラーレス一眼の先駆者オリンパスが真っ青になる程の小型ボディーで、この分野で急激に存在感を強めている。(なお、世界的にはこの分野(ミラーレス一眼などの新種の小型一眼)の覇者は、恐らくサムスンだ(ミラーレス一眼NX10の出来は、NEX-5よりかなり良いらしい)。日本では今のところはオリンパスが覇者だが、そのうちソニーが逆転するかもしれない。GF-1を出しているパナソニックの立ち位置はいまいち不明になりつつある。あと、リコーのGXRも次の一手をどうするのか?ミラーレス一眼という設計思想とGXRが提唱する「最適な撮像素子とレンズの組み合わせを1つの単位とする」というユニット設計思想は真っ向から対立するが、はっきり言って、ユニットの方が分が悪そうだ。また、地味にシグマのDPシリーズもミラーレス一眼にその地位(APS-Cサイズの撮像素子を持ちながら、コンパクトデジカメに近いコンパクトさが売りだった) を脅かされつつある 。DPシリーズに残されているのは、Foveonという垂直方向にRGB値を取込むユニークな撮像素子のみくらいか。レンズ交換も出来ないし。。その上、GXRにしても、DPシリーズにしてもAFによる合焦速度が遅すぎて、コンデジ上がりのユーザーでも「イラッ」としてしまうことがある。一方、NEXはそれなりに速度が保たれているし、これら競合機種より本体サイズとしては一回り小さい。レンズを入れるとちょっとでかいが。現在、パンケーキレンズは24mm(フルサイズ換算で36mm)と広角よりのレンズしか出ていないが、35mm(フルサイズ換算で50mm前後)の標準域パンケーキが出たら、ちょっと欲情してしまうかもしれない(笑)しかし、キヤノンの新作ラインナップ(PowerShot S95など)にはいささかがっかりしてしまった。既存機種の機能増強にとどまり、結局、APS-Cサイズのミラーレス一眼等は発表しなかった。一部報道で「キヤノンもミラーレス一眼の流れは無視しない」というインタビューが掲載されていたので、コンデジラインナップでの撮像素子の大型化に対して期待はあったが、今回のタイミングではなかったようだ。「ミラーレス一眼」に市場を侵食されつつある「デジタル一眼レフ」の雄、キヤノンとニコンはどのようにこの変化を考えているのだろうか?フルサイズ機や7D等の中級〜上級モデルでは、ミラーレス一眼との棲み分けは十分可能だが、EOS Kissシリーズ等はガチンコでユーザーの奪い合いになると思う。Kissは僕の手には小さいが、女性には少し大きい気がする。同じような写りをするのであれば、ミラーレス一眼を選ぶ気持ちも分かる。そういったエントリーユーザー層をうまく取込むことが、重要・・・?うーん、一概には重要とも言えないか? よくよく考えてみると、ミラーレス一眼は基本的にマウント径がデジタル一眼とは異なるので、いわゆる「マウント縛り」の作用は少ない。その証拠に、オリンパスのPENシリーズで一眼の魅力を知った層が、さらなる画質向上を目指して、ニコンやキヤノンにシフトしてしまう現象が報告されている。普通、オリンパスからしてみたら、PENで「一眼レフの魅力」を知ってもらって、その後のステップアップとして、オリンパスの「デジタル一眼」に進んでもらいたい!という流れを期待していたのだろうが、実際は、一眼レフとしてはレンズのラインナップを含めると、キヤノンやニコンの方が性能的に優れていることが多く、また、ミラーレス一眼でそれなりに鍛えられてしまった目にはその性能の違いが理解されるが故に、オリンパスの一眼ではなく、キヤノン/ニコンへとシフトしてしまっているという状況だ。このため、オリンパスは恐らくフォーサーズを捨てて、マイクロフォーサーズに注力するはずだ。と、いう流れで考えると、・・・いや、とはいえ、キヤノンやニコンだって、その後のマウント縛りを繰り出せないにしても、エントリーユーザー層は欲しいはずだ。やはり、ミラーレスへの進出は時間の問題か。)
さて、そんな業界の変化を巻き起こし中のNEXに続き、「透過型ミラー」を搭載したα55とα33である。透過型ミラーを搭載することで、撮像素子に光を当てながらも(つまり、ライブビューを行いながら)、オートフォーカスセンサーにも光を同時に当てることができる(つまり、ライブビュー中に高速オートフォーカスを実現できる)のである。
(※透過型ミラーを使うことで、光路が二つに分岐する、とイメージすれば分かりやすい。)


結果として、ソニーは大胆にも光学ファインダーを捨てて、すべてEVF(電子ビューファインダー。オリンパスのPEN-2で使用できる「液晶画像をファインダー中で見れる」という代物)に切り替えてしまった。このEVFの出来次第のところはあるのだが、数値上は115万ドット、60fpsと非常に滑らかな像が期待できそうである(と褒めつつも、僕は完全に、完璧に、光学ファインダー信望者なので、結局買わないけど(笑)ただ、技術の進歩としてチェックはしておきたい。視野率は100%だしね。なんとなく、EVFってプレデターの視野(あれは温度センサーだったけど)を思い出させる。外界の光を電気信号に変換してから画像エンジンで再生し、それを人の網膜が認識することで、初めて外界を知覚する・・・なんて、その回りくどさにSFを感じてしまうのは僕だけだろうか?例えば、画像エンジンが狂ったら、EVF上の「外界」は狂ったホワイトバランスになるだろう。もしEVFからしか世界を見なかったら、僕は本当に外界とコンタクトを取れているのだろうか?知覚する世界は、実にバーチャルなものと言わざるを得ない)。


さて、このEVF化は今後のNEXの布石として見ても面白い。現在、NEXはライブビュー(いわゆるコンデジと同じで、液晶画面を見て撮影する。ファインダーを覗き込まない)のみで稼働するが、今後のミラーレス一眼の進化として、「高精細なEVFを標準装備」という展開は多いにあり得ると思う。今回発表になったα55とα33では、EVF化による小型化のメリットはそれほどなさそうに見えるが、このような本体備え付け型のEVFが当たり前になってくると、ミラーレス一眼への反映も技術的なハードルが下がってくるだろう。そうなると、小型ボディーに大型のレンズを搭載した際に、「ライブビュー撮影だと手ぶれがきっつい」というミラーレス一眼の宿命的問題を解決することが容易になる。(その上、撮影している姿も一眼レフらしくてさまになる)


また、α55と33には、これまでソニーがコンデジで試してきた「スイングパノラマ機能」(シャッターを押しながらカメラを動かすことで、180度程度のパノラマ撮影が可能になる)や、6枚のショットを合成しノイズをキャンセルすることで結果的にノイズリダクション効果を得られる「マルチショットNR」等のソフト面の充実も見られる。また、明暗差が激しい場面(例えば、山の稜線に沈んでいく夕日。夕日を撮ろうとすると、山は黒潰れし、山を撮ろうとすると、夕日は白とびする)では、通常の一眼レフでは「ハーフNDフィルター」を使用するとこで明暗差を光学的にキャンセルして両者を融和させるが、この機種では「オートHDR(ハイダイナミックレンジ)」機能によって人が見た印象に近くなるように画像処理によって明暗差をキャンセルするらしい(これまでのHDR合成では、なんとなく「絵画」っぽいうさんくささがあったが、このモデルでは「人が見た印象に近くなる」ことを謳っている。これがどれくらいの出来なのか気になるところだ)。
こういったソフトウェアサイドでの機能増強は、家電総合メーカーたるソニーであるからこそ、という感じがして実に好感が持てる。もっともっと、ソフトの方を充実させていってほしい。


またハード面でも、当たり前のようにバリアングル液晶を搭載してくるところが、ソニーらしい。いちいち導入に踏み切れないキヤノンと比べると、このような従来の「カメラ像」から少し離れた技術(ある意味、古参のカメラ好きからすると邪道的な技術)については、家電メーカーのソニーに分があるのかもしれない(逆に言えば、そこしか活路はないかもしれない。さすがに、カールツァイスレンズだけでは勝負できないだろう。MFと割り切れば、他社のカメラでも使えるし)。
さらに気になるのが、地味に「3D静止画が撮影できる3Dスイングパノラマ」という目新しい機能まで搭載させてしまっていることだ。
これは価格.comの記事でも最後にちょこっと触れられているだけで、あまり注目されていないようだが、「1眼レフで3D」というのはちょっと面白い。


3D静止画は、富士フィルムが先鞭を取って開発しているが、その技術は基本的には「2つの撮像素子で被写体を異なる角度から撮り、その画像を合成し、右目と左目でそれぞれ見るべき画像を交互に高速に表示する」ことで3D静止画を実現している。
しかし、このα55や33は、当然「一眼」であり、撮像素子は1つしかないはずだ。とすると、スイングによって撮像素子の位置を変えることで、擬似的に「2つの撮像素子による撮影」をデータ上で実現する、ということだろうか?
実に、気になる機能だ。
ソニーの予想外の動きに目が離せない。



listening to My blood is Your blood / THE NOVELS