2009年4月18日土曜日

020. パルスジェネレーターの所在


最近、すこぶる調子がいい。
割と、集中力も出ているし、やりたい(けど若干面倒な)ことも、ちょくちょく手を出せている。
この調子で、生活の「強度」を増していきたい。
ところで人間というものは、「やりたいし、やった方が長い目で見ると絶対いいことなんだけど、でも、今日は疲れたから・・・今はやる気が出ないから・・・また明日ね!」
ってなかんじで、少し面倒なことや頭を使うことは、後回しにしてしまいがちである。
そんなときに思うのが、「やる気が出たらやる。」というもの。
つまり、「やる気にならない限りやらないぞ。」である。
しかし、そもそもその「やる気」とはどこで生まれるのだろう?
それは脳の中だ。
じゃあ、どういった条件が整うと、「やる気」が脳で発生するのか?
僕たちは、「やる気」はあたかも「精神力」に属したものだと思いがちだ。
精神的な「よし!やるぞ!」といった「強い決意」から「やる気」はやってくると。
つまり、脳が頑張って「やる気」を生み出している、と考えてしまう。
あたかも、脳自身がパルスジェネレーター(信号発生装置)のように。
もう少し言えば、脳による「思考」がやる気の「起点」であるとの錯覚である。
しかし、最近の調子の良さを振り返ってみると、ちょうど逆なのである。

「やる気が出たから、やる。というより、ちょっと手をつけてみたら、やり出した。」
(強い決意より、ちょっと手出ししてみる、という「軽い行動」の方が大事)

「考えたからアイデアが生まれた。というより、なんとなくでも話し始めてみたら、アイデアが話の中で生まれて来た。」
(頭の中で一生懸命思考するより、話すという行為(それは脳内の漠然としたアイデアを他者に伝わる言語に変換するという作業そのもの。「説得性の増強」や「サマライズ」といった副次的な効果もある。)の方が、アイデアを出すのには大事。)

「今起きたら、寝不足で一日つらいんじゃないか?もう少し寝て、『よし、睡眠時間十分だ』と思えてから起きよう。というより、とりあえず寝不足でつらくなるかもしれないけど、起きてみて、いつも通りコーヒーとリンゴを食べ40分かけて通勤してみてから、『今日寝不足かどうか』を意識してみよう。と、起きてみたら案外平気だった。」
(「~と思える」ことより、「とりあえず動く」ことの方が大事。大体、上記のケースでは、「うん、これだけ寝たら大丈夫。」という明確なラインがあるわけではないので、検証不能な感覚を頼りにしている時点でいけてない。)

つまり、パルスジェネレーターの機能は、どうやら脳よりも、身体の方にあるらしい。
というのが、今朝起きてすぐに浮かんだ結論である。
しかし、実はこれ以下の記事を下敷きにした結論でもある。

以下引用--------
池谷先生が指南!やる気が出る「脳」のだまし方

脳は飽きっぽくできています。「三日坊主」に悩む人が多いのも当然です。解決策は「脳をだます」ことでしょう。一つのポイントは「淡蒼球(たんそうきゅう)」という脳部位です。淡蒼球は「やる気」や「気合」など日常生活で大切な基礎パワーを生み出すといわれています。自分の意思で淡蒼球を動かすことはできません。しかし、ご紹介する「四つのスイッチ」を使えば、淡蒼球を起動させることが可能です。

 一つ目のスイッチはBody(身体)。身体は脳の支配下にあると思われがちですが、本当は逆で、カラダが主導権を握っています。進化の過程を思い出してください。脳とカラダのどちらが先に発達したか。もちろんカラダです。カラダのない動物はいませんが、脳のない動物はいくらでもいます。脳は進化の歴史では新参者なのです。「楽しいから笑う」のではなく「笑うから楽しい」、「やる気が出たからやる」のではなく「やるからやる気が出る」のです。
 日曜日の朝、平日より遅く起きていませんか? 起床のリズムを崩すことはおすすめできません。趣味や勉強の時間もあらかじめ決めておくといいでしょう。場所の移動も効果的です。新幹線や飛行機では、なぜか集中できるという人も多いのではないでしょうか。最近の研究で身体を動かさずとも、動いているという感覚があれば、脳が活性化することがわかっています。

 二つ目はExperience(経験)。日常生活の体験は「海馬(かいば)」を通じて、貴重な記憶や知恵として脳に貯えられます。
「海馬は脳の最高幹部だ」といわれます。脳を企業にたとえると、もっとも重要な指令を下すのが社長である海馬。日常生活で初めて経験するような事態では、海馬が淡蒼球などを総動員して事態に対応します。しかしいつもと同じ経験では、わざわざ海馬が顔を出す必要はありません。部下だけで処理を代行できる。つまりよほど重要なことでない限り、海馬にまで情報は届かない。海馬のためにはいつもと違う要素を取り入れるのが効果的なのです。
 そのためには「形から入る」「身銭を切る」「人を喜ばせるためにやる」などがおすすめです。また脳研究では「準備の心(プリペアードマインド)」という概念が知られています。事前に「続かなくて当たり前」と気楽に構えておくと、長続きします。

 三つ目はReward(報酬)。ごほうびの喜びは「テグメンタ」という脳部位を活性化させ、快楽物質であるドパミンを出します。ドパミンは淡蒼球に直接働きかけるため、ごほうびとやる気とは強い相関があります。
 お金や食べ物も報酬になりますが、何よりのごほうびは達成感でしょう。目標は小さくしつつ、腹八分目でやめるというのがおすすめです。

 四つ目はIdeomotor(イデオモータ)。「念ずれば通ず」はウソではありません。たとえば「コックリさん」という遊びはイデオモータの一種だとされています。強く念じることで、無意識のうちにカラダが動く。成功のイメージを具体的に描き、その自分に「なりきる」ことでやる気が引き出されます。

 脳の情報処理というのはパラレルに行われます。その意味で、「趣味は仕事のリトマス試験紙」だといえるかもしれません。仕事がうまくいかないときは、趣味には集中できませんよね。一流の人は、四つのスイッチを無意識のうちに使い、趣味を通じて、仕事にも弾みをつけているのでしょう。

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よく経験と合致する部分もあるし、そうでないもの(恐らく僕のパーソナリティーではうまく機能しないもの)もある。
しかし、特に一つ目のBodyという項目は秀逸だと思う。
もう少し考えてみると、脳というのは、外部刺激を正しく認識するために発生したと言える。植物のようにその場に居ながらにしてエネルギーを産生できない動物は「捕食」が必要である。この意味するところは、食べ、食べられる、という危険な世界に身を置いているということだ。そんな危ない世界では、今自分がどんな状態に置かれているのか?を知る事は大変重要となる。つまり、外部の世界をより正しく認識したものが勝ち、生き残る。そういった淘汰の過程で、より正しく、より正しく、と突き詰めて行ったときに生まれたのが「脳」という装置だ。
しかし、この過程から明らかなように、脳は「外部からの刺激に反応する」という「受け身の性質」を持っていると言える。(池谷氏の「 進化の過程を思い出してください。」以下の下りはこのことを言わんとしているものと思われる)
つまり、パルスジェネレーターは、脳ではなく、脳の外(=行動によって出会う外部刺激)にこそ在る。
こう考えると、不思議と気が楽になる。
というのは、「やる気がでない」のは精神力が弱いから(自分がだめ人間だから)というより、「単に動いてないだけ」なのだから。問題は明白であるし、解決策も簡単だ。
「とりあえず、やってみよう。」
である。
これは、やる気の「行動原理主義」というようなものだろう。行動があって、やる気が生まれるのである。

そして、もう一つ大事なのは、

「動きながら、考える」

ということだろう。
行動をする。それから考える。
というより、
行動しつつ、考えつつ、行動しつつ、考えつつ、を繰り返す。
方が、シームレスに全てがかみ合い、成果を上げるように思う。

また、初めの一歩となる行動は、大それたものでなくていい。
緻密に計画されたものでもなくていい。
ちょっとした軽はずみで行う、程度で十分だ。
きっかけさえ掴めれば、どんな矮小な行動でも、十分意味があるのだ。
より大きな意味や結果は、後から始まる本格的な行動で得られればよいのである。
そして、本格的な行動を起こせば何かしら成果が生まれることを、27歳の僕は知っている。安心して邁進すればよい。

こうしたことを考えるようになったのは、ひとえにマイブームの「歩くこと」によるものと思う。
「歩くこと」は気軽にできる。
その上、「歩きながら考える」ことも容易だ。
やる気の行動原理主義にとって、最良の友と言える。
というわけで、今日も動こう。
来週の今日は、ペルーに居る。
今日はその準備をしようと思っている。
とりあえず、荷造りから始めよう。