7/20から本日(7/25)まで、沖縄県は八重山諸島を旅行してきた。
八重山諸島とは、石垣島以西にある島々のことを言い、石垣島、西表島(いりおもてじま)、竹富島、波照間島、小浜島などが有名だ。
沖縄本島から500km程離れており、むしろ台湾の方が200km程で近いくらいだ。
今回は、その中でも西表島をメインに、竹富島と石垣島、それから沖縄本島の那覇を回ってきた。
沖合の珊瑚礁にてシュノーケリングを2回、亜熱帯の密林にてトレッキングを2回、マングローブ林を抜けるカヤックを1回、夜間にしか咲かないサガリバナを歩いて見に行き、水牛車にて竹富島の村を回り、同じく水牛車にて由布島へと渡った。
中でも西表島のジャングルっぷりはすごかった。
マリユドゥの滝へと目指す、比較的簡単なトレッキングコースですら、蔦植物が絡まり合い、シダ植物が生い茂るジャングルらしさ満点の道を歩くことができる。ここは日本だろうか?視覚情報だけを頼りに判断するのなら、NOである。完全に、見事なまでのジャングル。
ピナイサーラの滝を目指すトレッキングコースでは、やや難易度が上がり、木の根がボコボコと出ている獣道を、岩や石を掴みながら上って行くことになる。植生の豊かさは、一目で分かるが、それだけではない。
手のひら大の大きな蜘蛛が当たり前のようにいて、赤や黒のベンケイガニが穴から出てきて、ふと見つけたヤドカリは天然記念物だったり、夜には蛍の幼虫(幼虫でも光る)が道の脇にいたり、体長30cmほどのでかいネズミが出てきたり、カヤックで通り過ぎる川には5〜6匹の30cm程の魚が群れをなしてゆうゆうと泳いでいる。
マングローブ林は、川由来の淡水と海由来の海水が混じり合うところにある。水の中にどぼんと浸かると、水面に近い層は冷たく、足下が生暖かい。明らかに温度が異なるのだ。
普通、温かいものは上に行き、冷たいものは下に行くのだが、ここでは逆である。
なぜか?
これは比重の重い海水が下に行き、真水の淡水が上にあるためだ。なお、海水は温かく、川の水は冷たいので、足下が温かく、水面ほど冷たい。これは、流速が低い川特有の現象だ。つまり、両者は混じり合わず、2層の層流となって流れている。やがて海側に近づくと両者は混じり合うが、このような物理現象を、自身の身体によって感知できるのは、知識と行動とが混じり合うようで、実に愉しい。
今回は、妊娠五ヶ月の奥さんとの旅行だったので、トレッキング時の足下の不安定さにはヒヤヒヤさせられたが、見事に登りきってくれた。ピナイサーラの滝には、滝の上を目指すコースと滝壺を目指すコースがあり、滝壺の方が距離も短く勾配も緩やかで比較的簡単とされているが、それでも、かなりの勾配を這って進むことになる。こんな体験は、そうできることじゃない。
植生の違いや、生物の圧倒的な多様さ、その循環を感じることができる希有な場所だと思う。今回は、森本さんという方にプライベートガイドをしてもらったのだが、植物、昆虫、動物、魚類、土壌、水の相互作用や循環作用について色々と教わった。先の層流の話も森本さんに教えてもらったことで、自分だけでは決して気付けなかったと思う。これらのことを、日本語で知ることができるのは、日本が南北に長い国土を持ち、多様な自然環境帯を有するからだろう。改めて、日本の懐の深さを思い知らされた。
ただ、いいことばかりではなく、例えば夜、自販機に水を買いに行こうとすると、歩道のすぐ脇の茂みから、ガサッ!という音が次々と鳴り出し、街路樹から何かがバッと飛び出してきたりして、かなり恐ろしい思いをすることになる。
翌日になって注意深く周囲を観察すると、体長30cm程の立派なトカゲが複数、歩道近くに生息していることが分かった。またカエルも多数いるようで、これらが夜中ガソゴソと動くようだ。歩道の脇の茂み、というやつも大体3mくらいの高さがあり、正直、人間の勢力よりも自然の勢力の方が圧倒的に強い世界だ。
噛まれても死にはしないらしいが、でっかいムカデもいた。
ヤモリも常時2匹は、部屋の中に入ろうと画策していた。人が近づくと驚いて逃げるのだが、壁からジャンプして逃げて行く様はちょっと驚きだ。
このような種に出会うことも、ある程度覚悟しておいた方がいい。
西表島には、日本最大の蛇(2mくらいになる種)と、日本最小の蛇(みみずくらいの種)がいるそうである。日本最大の蝶もいて、一瞬だが、目の前を通り過ぎて行った。水陸両方に対応できるハゼの仲間がたくさんいたり、「ヒトとは別の種」によくも悪くもたくさん出会える。
日本のいわゆる日常世界から一瞬抜け出してみたいヒトにはおすすめである。
八重山諸島とは、石垣島以西にある島々のことを言い、石垣島、西表島(いりおもてじま)、竹富島、波照間島、小浜島などが有名だ。
沖縄本島から500km程離れており、むしろ台湾の方が200km程で近いくらいだ。
今回は、その中でも西表島をメインに、竹富島と石垣島、それから沖縄本島の那覇を回ってきた。
沖合の珊瑚礁にてシュノーケリングを2回、亜熱帯の密林にてトレッキングを2回、マングローブ林を抜けるカヤックを1回、夜間にしか咲かないサガリバナを歩いて見に行き、水牛車にて竹富島の村を回り、同じく水牛車にて由布島へと渡った。
中でも西表島のジャングルっぷりはすごかった。
マリユドゥの滝へと目指す、比較的簡単なトレッキングコースですら、蔦植物が絡まり合い、シダ植物が生い茂るジャングルらしさ満点の道を歩くことができる。ここは日本だろうか?視覚情報だけを頼りに判断するのなら、NOである。完全に、見事なまでのジャングル。
ピナイサーラの滝を目指すトレッキングコースでは、やや難易度が上がり、木の根がボコボコと出ている獣道を、岩や石を掴みながら上って行くことになる。植生の豊かさは、一目で分かるが、それだけではない。
手のひら大の大きな蜘蛛が当たり前のようにいて、赤や黒のベンケイガニが穴から出てきて、ふと見つけたヤドカリは天然記念物だったり、夜には蛍の幼虫(幼虫でも光る)が道の脇にいたり、体長30cmほどのでかいネズミが出てきたり、カヤックで通り過ぎる川には5〜6匹の30cm程の魚が群れをなしてゆうゆうと泳いでいる。
マングローブ林は、川由来の淡水と海由来の海水が混じり合うところにある。水の中にどぼんと浸かると、水面に近い層は冷たく、足下が生暖かい。明らかに温度が異なるのだ。
普通、温かいものは上に行き、冷たいものは下に行くのだが、ここでは逆である。
なぜか?
これは比重の重い海水が下に行き、真水の淡水が上にあるためだ。なお、海水は温かく、川の水は冷たいので、足下が温かく、水面ほど冷たい。これは、流速が低い川特有の現象だ。つまり、両者は混じり合わず、2層の層流となって流れている。やがて海側に近づくと両者は混じり合うが、このような物理現象を、自身の身体によって感知できるのは、知識と行動とが混じり合うようで、実に愉しい。
今回は、妊娠五ヶ月の奥さんとの旅行だったので、トレッキング時の足下の不安定さにはヒヤヒヤさせられたが、見事に登りきってくれた。ピナイサーラの滝には、滝の上を目指すコースと滝壺を目指すコースがあり、滝壺の方が距離も短く勾配も緩やかで比較的簡単とされているが、それでも、かなりの勾配を這って進むことになる。こんな体験は、そうできることじゃない。
植生の違いや、生物の圧倒的な多様さ、その循環を感じることができる希有な場所だと思う。今回は、森本さんという方にプライベートガイドをしてもらったのだが、植物、昆虫、動物、魚類、土壌、水の相互作用や循環作用について色々と教わった。先の層流の話も森本さんに教えてもらったことで、自分だけでは決して気付けなかったと思う。これらのことを、日本語で知ることができるのは、日本が南北に長い国土を持ち、多様な自然環境帯を有するからだろう。改めて、日本の懐の深さを思い知らされた。
また、虹も通算3回ほど見ることができた。小雨が降ったり、すぐ晴れたりを繰り返す気候で、比較的容易に虹を見る事が出来る。特に西表島では、陸から海にかけてアーチを描く虹を初めて見た。
ただ、いいことばかりではなく、例えば夜、自販機に水を買いに行こうとすると、歩道のすぐ脇の茂みから、ガサッ!という音が次々と鳴り出し、街路樹から何かがバッと飛び出してきたりして、かなり恐ろしい思いをすることになる。
翌日になって注意深く周囲を観察すると、体長30cm程の立派なトカゲが複数、歩道近くに生息していることが分かった。またカエルも多数いるようで、これらが夜中ガソゴソと動くようだ。歩道の脇の茂み、というやつも大体3mくらいの高さがあり、正直、人間の勢力よりも自然の勢力の方が圧倒的に強い世界だ。
噛まれても死にはしないらしいが、でっかいムカデもいた。
ヤモリも常時2匹は、部屋の中に入ろうと画策していた。人が近づくと驚いて逃げるのだが、壁からジャンプして逃げて行く様はちょっと驚きだ。
このような種に出会うことも、ある程度覚悟しておいた方がいい。
西表島には、日本最大の蛇(2mくらいになる種)と、日本最小の蛇(みみずくらいの種)がいるそうである。日本最大の蝶もいて、一瞬だが、目の前を通り過ぎて行った。水陸両方に対応できるハゼの仲間がたくさんいたり、「ヒトとは別の種」によくも悪くもたくさん出会える。
日本のいわゆる日常世界から一瞬抜け出してみたいヒトにはおすすめである。